［貴金属合金Q&A／貴金属元素の役割］ YAMAKIN株式会社

・密度：12.16(g/cm³)
・融点：1,552℃

　パラジウムは、機械的性質（硬さ、引張強さ）熱膨張係数等白金と効果作用がよく似ているが、密度12.16（g/cm³）が小さいため経済性が良く合金の軽量化に役立ちます。
　融点の昇温効果は、パラジウム5%で白金の10%に匹敵します。
　しかし、パラジウムは大きな欠点があり、酸素、水素、炭素等のガスを吸収し易い性質があるためパラジウムを多量に含有したメタルボンド用合金は、溶解時にガスを吸収し易く、その結果、合金の劣化や陶材焼成時の気泡発生の可能性が高くなります。
金銀パラジウム合金（健康保険用材料）では、強度性、耐硫化性の向上を目的として20%配合されています。また、銀合金へも添加量の増加に伴い、強度性、耐硫化性の向上は同様です。

【参考文献】
1）日本金属学会編：金属データーブック　改訂4版．丸善， 2004， 10-13．
2）Preston-Thomas H. : The international temperature scale of 1990 (ITS-90). Metrologia, 27 :
3-10, 1990.
3）市丸俊夫ほか：歯科用金合金におけるIrおよびRuの微量添加について、歯材器、33（3）：194～200、
1976
4）大野弘機：歯科工誌、17（40）、297、1976